政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長=佐藤幸治・京大名誉教授)は、国が主体となったアイヌ民族の生活向上施策の実施や、関連施策を推進するための新法制定などを柱とした報告書をまとめ、29日午後に首相官邸で開かれた会合で、河村官房長官に提出した。 報告書では、「国の政策として近代化を進めた結果、アイヌの文化に深刻な打撃を与えた」と国の責任を明記。アイヌ民族の所得や進学率などが低い水準にとどまっている現状を踏まえ、「居住地に左右されず、自律的に生を営み、文化振興や伝承等を担えるようにするための支援が必要」として、国による全国規模での支援策の必要性を指摘。就職支援として、民間企業の積極的な受け入れも促す。 また、差別をなくし、アイヌ民族が誇りを持てる社会を実現するためには国民の理解が必要として、義務教育で、アイヌ民族に関する基礎知識を身に着けられるような環境整備や、「アイヌ民族の日