1973年から1974年にかけて公開された、東映のヤクザ映画です。 終戦後まもない時期から約20年間に広島で実際に起こった暴力団による抗争事件をモデルとしています。 第一作「仁義なき戦い」から第五作「仁義なき戦い:完結篇」までが作られました。 従来のヤクザ映画とは一線を画す内容 それまでのヤクザ映画は、義理・人情、いわゆる任侠の世界を描いたものでした。 実録、と謳った映画でも、所詮はヤクザを美化して描かれたものがほとんどです。 ところが、このシリーズでは、裏切り、共謀、掟破りなどが日常化した現実の暴力団の世界がリアルに再現されています。 映画内で扱われる事件に関わった当事者の多くが、現実に生きている中で制作された、本当の意味での「実録」モノの先駆的作品でした。 深作欣二監督の斬新な撮影手法、脚本家笠原和夫の綿密な調査、当事者の多くが生きているという現実感、さらには 伸びざかりの若手俳優によ