第9版 序 本書は1974年の初版刊行以来,医学生,研修医をはじめ多くの読者の支持を受け版を重ねて今日に至っている. この間,医学の飛躍的な進歩を反映して,医学的知識の集大成である内科学書は,年を経るごとにその厚みを増し,医学生の学ぶべき内容はより膨大となった.いまやあふれんばかりの情報の渦から真に価値ある知識を獲得する方法をまず学ばねばならない未曾有の時代といえよう. そこで今回の改訂にあたっては,初版刊行時の原点に立ちかえり,内科臨床における最新の疾患概念と診断・治療を要領よくまとめた臨床内科学書を目指した.何よりも重視したのは,疾患知識の網羅性を維持し,かつ内科成書としての信頼度の高さを保持しながらも,学生が読みとおすことのできるコンパクトさを両立させることであった. このため,前版にあった各系統別の総論や症候学は必要最小限の内容のものとして,付録の扱いとした.また,できるだけ内容の