かつてどこかの雑誌で書かせてもらった覚えもあるのだけれども。ファンの方ならばみなさんご存じの通り、大滝詠一という人の語り口は独特だ。とぼけているような、はぐらかしているような…。どんなにシリアスな話題を口にしているときでも、常に機知に富んだ、鋭いユーモア感覚が全編にまぶされていて。どこまで本気なんだか、冗談なんだか。こちらはその振り幅の大きさに半ば戸惑い気味に、半ば心地よく、翻弄されるばかり。 オフィシャルな場でインタビューさせていただいているときも、プライベートな場で言葉を交わさせていただいているときも、いつもそんな感じだった。が、そうこうするうちに、大滝さんを含め、その場に居合わせた誰かが無意識のうちにふと口にしたひとことをきっかけに様相が一変する。一見取るに足らないそのひとことに潜む真実のようなものを大滝さんが的確にすくい上げた瞬間、そこを起点に話は一気に核心へ。以降はめくるめく展開