自費出版の「東京めたりっく通信物語」が送られてきた。筆者の東條巌さん(元東京めたりっく通信社長)からの献本である。手書きのあいさつ状がそえられていた。「原の野郎!」が飛び出しますが、ご勘弁を、とあった。 何が書いてあるか、だいたい想像はできたが、早速読んでみた。最終章の冒頭にこの表現がある。正確に再録すると「原の野郎め、やりやがったな」である。 都合の悪い記事を書かれて怒る経営者がよく口にする言葉である。確かに私がその日の朝刊に「東京めたりっく経営危機」の原稿を書いた。東條さんが記事を読んで怒鳴ったとしても不思議ではない。 彼は著書で、記事をまったく予期していなかったと書いているが、その数行後に「資金調達の手段として、強力なパートナーの出現を期待する旨、記事にでもしてくださいな、と喋ったことも確かだ」と書いている。 真相はこうだったというにはヘンだと思いませんか。当事者が書く真相ものには、