最初にお会いしたのは、定冠詞のない「スターリン」時代だったと思う。「宝島」誌の、ジョン・ライドンとミチロウさんの対談記事の司会進行をやった時だった。ライドンがえらく愛想が良くて腰が低かったことと、ミチロウさんがすごく穏やかで静かな人だったのが意外だった。その次(3回目だったかも)は「フールズメイト」誌の取材。ちょうどソ連が崩壊した直後の時で、あれは共産主義の敗北だ、と言い切っていたのをよく覚えている。当時は「ソ連は運用の仕方がまずかっただけで、共産主義そのものはまだ有効だ」という意見もあったけど、ミチロウさんは「そんなものはこっちにいる一部の左翼知識人の幻想だ」と斬り捨てていたのが、ミチロウさんの出自を考えると興味深い。自分のバンドに「スターリン」という名前を冠した時点で、左翼幻想はとうの昔に捨てていたわけだ。 それから何度もお会いして取材もした。キングからのソロ3部作再発盤のライナーのた