ブックマーク / www.isis.ne.jp (2)

  • 言葉の風景

    平維盛は源平合戦のさなかに、夜中、一管の笛をたずさえて陣を抜け出し、琵琶湖に乗りだして竹生島に渡る。 すべて月光が演出する物影ばかりの景色である。竹生島に近づけば、茂る樹林が湖の澄んだみなもに映りこんでいる。 水中の幻影の樹林の中を実在の魚たちが泳ぎ、その虚実が織り成す世界を、船の上からのぞきこむと、魚が木に登っているように見える。 そして一風吹けば、鏡のような湖面にざわざわと波が立つと、景色はたちまち一変して、たったひとつの天上の月が、見渡すかぎりの波という波のそれぞれに映りこむ。 それは、月の中の幻影の兎が、波のおもおもに、はねとび走っているようだ。 その波に兎の走る光景というものは、時空をかけはなれた釈迦牟尼の説く質が、もともとだれの心にも映りこんでいるというのと何がかわろうか。 幻影に現実が混じり、現実に幻影が宿る。そのような自然のはたらきが、生きとし生け

    mittei-omasa
    mittei-omasa 2008/08/13
    「竹生島」に関して
  • 松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇

    平成になって「趣味の水墨画」という雑誌が創刊され、そこに書のもとになる「朝水墨画人伝」が連載された。あきらかに村松梢風の名著『朝画人伝』(964夜)を意識していた。2年ほどつづいた。それがになった。 改題して『墨絵の譜』となったのは好ましい。サブタイトルが「日の水墨画家たち1・2」。雪舟から始まって、相阿弥・永徳・等伯・宗達・光琳をへて、応挙・若冲・蕭白・蘆雪とたどり、大雅・蕪村らの文人画を鉄斎でしめくくり、明治からは御舟と大観だけを入れている。24人が入選である。 まあ、こういう選抜はいろいろあるもので、その気になればいくらでも入るし、いろいろ落とせもする。著者は近世絵画史の専門家だから、詳しいことを知りたければ、『江戸の画家たち』や『江戸の絵を読む』で遺漏を補えばよい。また、書自体がそれぞれの代表作を採り上げながらも、その解説では前後の画人を補って、それなりの流れが

    mittei-omasa
    mittei-omasa 2006/09/19
    『おそめ』錚々たるメンバーが。積ん読解消しなくっちゃ
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