いまの年齢になるまで、自分の中で作り上げられた「理想の恋人像」みたいなのがあって、 恥ずかしながら、金塊や宝石を探すみたいに、今までの人生でそんな恋人を探してきたつもりでいた。 飲み会でもパーティーでも仕事でも、その理想にいちいち女の子を当てはめては、 「ここが違う」とか、「ここが惜しい」とか、そんなんばっかりで。 気付いたら親の結婚した年齢なんかとっくに超えていて、 もう二次元でもいいかなぁ、結婚諦めようかなあとか、そんな事を考えていた。 けど、違ってた。 恋に落ちてしまった。 それも理想と全然違う子を好きになってしまった。 今までは蛯原友里みたいな、猫のような目が可愛いと思ってた。 でも、今の好きな人の、眠そうな目を最強に可愛いと思える。 その女の子は煙草を吸う。今まで、煙草を吸う女の子なんて絶対嫌だって思ってた。 けど、今はその子の煙草を吸う姿さえ、セクシーで魅力的だと感じる。 声だ