筆者は都内の20カ所の企業で嘱託産業医および精神科臨床を行っていますが、最近、現役世代の人たちと面談をしていると非常に複雑な気分に襲われます。というのは、新型コロナ感染症に対して、次のように怖がる人が増えているからです。 「コロナに感染するのはあまり怖くないけど、2週間近くも隔離されるのが困る」「もしコロナに感染しても風邪程度で治るだろう。でも自分が会社の同僚や取引先のお客様を濃厚接触者にしてしまうと迷惑をかけてしまって恨まれるのが怖い」「健康だからコロナに感染しても無症状か軽症で終わると思うけど、自分が感染すると子供が学校に行けなくなるし、差別されて仲間外れにされるだろうから絶対に避けたい」 つまり「コロナウィルス感染自体は怖くない」が、「感染したら自分も周りも隔離されることで生じる社会的制裁が怖い」ということを異口同音に訴えるのです。このような恐怖感が広がってきているのは、非常におかし