2017.07.03 12:00 社会を“男の絆”で占有する強固なロジック 「ホモソーシャル」の正体とは? 男性性にまつわる研究をされている様々な先生に教えを乞いながら、我々男子の課題や問題点について自己省察を交えて考えていく当連載。3人目の先生としてお招きしたのは、男同士の連帯をめぐる問題を歴史的に研究した『男の絆─明治の学生からボーイズ・ラブまで』(筑摩書房)の著者である前川直哉さんです。 女性蔑視と同性愛嫌悪を基盤にした「ホモソーシャル」とは清田代表(以下、清田) 今回のテーマは「ホモソーシャル」です。これは“男の絆”や“男同士の連帯”を意味する言葉ですが、知ってる人にとっては当たり前すぎるけど、知らない人はまったく知らない……という類の言葉ではないかと思います。 前川直哉(以下、前川) そうですね。一般的に、男同士の絆にはポジティブな意味が付与されています。強い友情で結ばれ、互いに