快適に働けるに越したことはないが、安倍総理がしたり顔で進める働き方改革には、顔を曇らせる人が多い。そりゃそうだ。仕事量はそのままに残業を減らせば、だれかにしわ寄せが。人一倍の努力も拒まれればスキルも身につかない。その先には亡国の悲劇が……。 *** 「改革には痛みが伴う」とは、小泉純一郎元総理にかぎらず、古今東西の指導者が言い続けてきた。むろん、4月1日から順次施行されていく働き方改革関連法についても、これを政権の目玉政策の一つに掲げてきた安倍晋三総理は、同様に認識しているのではないだろうか。だが、問題はどんな痛みなのか、である。 ご承知の通り、各企業はすでに残業時間の削減に取り組んでおり、周囲に何社かの大手企業がある飲食店の店主は、 「これまで夜食を食べに来てくれていた人たちが、仕事が早く終わって家に帰るので、商売にならない」 と嘆くのである。もっとも、早く帰宅するようになった人たちは、