愛とラーメンの街、新横浜。 ラブホテルがやたら多く、ラーメン博物館があるこの街で、彼女と出会った。 「笑わんといてや」彼女がそう言った理由は、ホテルに入ってすぐ分かった。 その刺青を見た瞬間、俺は爆笑した。こんな新幹線に乗るのは初めてだ。 「もー、笑うなって言うたやん」と怒る彼女。 「わるいわるい、でも何で新幹線なんや?」 「もう1年前になるかなあ」彼女は語り始めた。 「あんたに似た左側の男が前の夫でヤクザやったわ」 「子どもが生まれたけど、離婚したときに夫が連れていきよった」 「その日は東京の増上寺で、大掛かりな映画の撮影をやってた日でよく覚えてるわ」 「その時期と規模なら、たぶん映画『ウルヴァリン-SAMURAI-』の撮影やな。400名以上で撮影してたらしい」 「そうなんや。それで、離婚した後は生活が苦しくて、昼はパチンコ、夜はキャバクラで過ごしたわ。一人でアパートに帰ると寂しくてな」
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