藤村官房長官は1日午前の記者会見で、いったんは先送りを決めた年金抜本改革の試算の公表時期について、3月の消費税率引き上げ関連法案の提出前になるとの見通しを示した。しかし、午後の記者会見では「党の意向では(3月までの公表は)非常に難しく、時間がかかると聞いている」とあっさり修正した。 民主党は、最新の将来推計人口を踏まえて新たに試算を作り直す方針で、前原政調会長も「来年の通常国会に間に合わせるスケジュールで考える」(1月31日の記者会見)としている。 藤村氏はこうした党側の事情を十分に把握していなかったようだ。野田首相も同日午後の衆院予算委員会で、年金改革法案を提出する来年を念頭に、試算を公表する考えを表明。一時、首相と官房長官の発言内容が食い違うという異例の状況となった。民主党の輿石幹事長は1日夜、藤村氏を電話で「記者会見でいちいち答えなくていい」と一喝した。