イコノロジー(英語: iconology)あるいは図像解釈学(ずぞうかいしゃくがく)[1]は図像を記述・解釈する技術だが、とくに20世紀の美術史学において、図像を生み出した社会や文化全体と関連づけて解釈するために発展した研究手法を指す。 ギリシア語の eikon (εικών 肖像) とlogos (λόγος 言葉・理法) を語源とする言葉で、古代には著名人の肖像画を同定・叙述する技術を意味していた。西欧中世では、寓意・象徴といった抽象的な観念を図像によって表現するための技術として体系化された(C.リーパ『イコノロギア』1593年)。 現在の図像解釈学の端緒は、美術史家ヴァールブルクが1912年に発表した15世紀イタリア美術についての研究報告とされるが、本格的に体系化されたのは、パノフスキーの研究においてである。彼はカッシーラーの象徴形式の哲学に大きな影響を受け、より精密で普遍的に応用し