<ミャンマーの民主化を成果として誇るオバマが、ベトナムでは人権問題に目をつぶって武器禁輸を解除したのは、南シナ海での対中戦略を最優先したからだ> 写真はベトナムを訪問したオバマ オバマ米大統領は先週ベトナムを公式訪問し、現地の市民団体のメンバーと会談した。草の根の民主化活動家と、アメリカの連帯を示す象徴的な会談だったが、会場の半分は空席だった。数時間前、招待されていた参加者のうち3人が治安当局に身柄を拘束されていたのだ。 その前日にオバマは、長年にわたり実施してきたベトナムに対する武器禁輸措置を完全に解除する方針を表明。中国が南シナ海の係争水域において戦略的立場を強める今、武器禁輸措置はこれまでになく重くベトナムにのしかかっていた。 【参考記事】南シナ海の中国を牽制するベトナム豪華クルーズの旅 禁輸解除によって、かつて戦火を交えた両国が「イデオロギー上の相違」を水に流すことができたとオバマ