原子力規制委員会の委員に9月に就任することが決まった田中知(さとる)・東京大工学部教授(64)が、核燃料サイクルを担う「日本原燃」(青森県六ケ所村)と原発メーカーの「三菱FBRシステムズ」(東京)から、今年前半まで報酬を受け取っていたことが朝日新聞の調べでわかった。 田中教授は取材に答えなかったが、両社は報酬の支払いを認めた。 原発の安全規制を担う機関の委員候補が、規制を受ける側の原子力事業者の役職に就き、報酬を得ていた。東京電力福島第一原発事故の後も毎年受け続けていた。 朝日新聞が東大に情報開示請求して得た「併任・兼業簿」や両社への取材によると、田中教授は2007年7月から今年6月まで三菱FBR社で「アドバイザリー・コミッティー」を務め、09年5月から今年3月まで日本原燃の「ガラス固化技術研究評価委員会」で委員長をしていた。