水や油をはじく性質から生活用品に幅広く使われ、工業製品の製造工程でも重宝されてきたPFAS(ピーファス、有機フッ素化合物)。発がん性など健康への影響の解明が進み、昨年、国際がん研究機関(IARC)は、発がん性の評価を見直した。1万種類以上あると言われるPFASのうちPFOA(ピーフォア、ペルフルオロオクタン酸)について4段階の分類のうち最上位の「発がん性がある」に引き上げ、PFOS(ピーフォス、ペルフルオロオクタンスルホン酸)を初めて上から3番目の「発がん性がある可能性がある」に位置づけた。 PFASは自然界で分解されず「永遠の化合物」と言われる。環境中に残留するため水道水に混入するなどし、人は体内に取り込んでいく。健康に悪影響を与えるのも、体内に入るとなかなか排泄されず、分解もされないためだ。長年にわたりPFASの調査研究をしてきた小泉昭夫・京都大学医学研究科名誉教授に、健康被害のメカニ