今年も新年一般参賀には多くの国民が集い、日本国民統合の象徴である天皇のもと新たな年を祝った。しかしその一方で、私たちは皇室の実態についてどれほど知っているだろうか。天皇とは何か、皇室とは何か。『新天皇論』(小学館刊)がベストセラー中の漫画家・小林よしのり氏が、天皇家の「万世一系」の謎について解説する。 * * * わしは新著『新天皇論』で、「万世一系」に疑問を呈した。明治憲法第一条には「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」とある。一方、皇室典範は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定めている。男系とは、天皇の父親が天皇または天皇の血筋で、父親を遡っていけば初代神武天皇に辿り着くことになることを指す。このことから、万世一系=万世男系とのイメージが作られてきた。 しかし、「万世一系」という言葉の使用も、「男系男子」という皇位の縛りも、実際には明治以降に限られたものなのだ。