超ヤバい! サンタを殺っちゃった! あたしは、足元に転がる大きな死体をながめながら、心の中でそう叫んだ。 いや正当防衛よ。正当防衛っしょ。 だって考えてもみてよ。 夜中にいきなり、音もなく窓から侵入してくる誰か。 暗くてよく見えないけど、大きくて毛むくじゃらな誰か。 驚いて全身の毛が逆立つ。けど、そいつの運が悪いことに、あたしの戦闘能力はただ事ではない。 あたしの名前は風魔ナナ。我が一族には、古来より門外不出で、暗殺術、隠身術、格闘術、呪術、走法、呼吸法、明眼之法、遠見、小音聞きなどなどが伝わっていて、16歳☆たる私も、未熟ながらも、ひととおり身につけてはいる。 しかも、あたしは速い。自分でもびっくりするくらい動きが速い。たとえば蚊をつぶし損じたこととかない。 適当な武器さえあれば、たいていの人間には、負ける気はしない。 そういえば、学校の体育の先生が、下品なこと言ったりずっと走らせたりし