鳥のさえずり声を聞いて、私は悪態を吐いた。今日の早朝に予定されていたミーティングのことをすっかり忘れていたのだ。 まったく、最悪の朝だ。着替えている間に、電話も鳴った。「高い金を払ってコンサルタントを雇った極めて重要なミーティングだ」と念を押されていたというのに。 それもこれも昨日のバグのせいだ。睡眠時間も、開発スキルも、人員も、私の現場には何もかもが足りていない。 それにも関らず、理解の足りない上司は「テスト工程を削ってでも早く納品しろ」とプレッシャーを与えてくる。 あの馬鹿どもめ。一体何を考えているんだ? スーツに着替え終わった私は、冷蔵庫の缶コーヒーで空腹を誤魔化すと、バイクに跨った。通勤時間が5分なのが、せめてもの救いだ。 「遅れてすまない」 そう言って会議室に入ると、奇妙なことに気がついた。教室のように整然と並んでいたはずの机が、即席の半円形に並べ替えられていた。 何より、ホワイ