11月11日、フランス南東部でマグニチュード4.8の地震が発生し、4人が負傷した。最も大きな被害が出たルテイユでは、数百棟の建物が損壊、あるいは倒壊した。写真は被害を受けたルビエール地区の建物。(PHOTOGRAPH BY JEFF PACHOUD, AFP VIA GETTY IMAGES) 正午少し前、フランスの小さな町ルテイユに住むクレマン・バスティ氏が家族と一緒に夕食の準備をしていたとき、家の壁が振動し始めた。グラスや皿が床に落ちて割れた。その後、低く轟くような音が街中に響きわたった。 家からそう遠くないところにある原子力発電所で爆発が起こったのではないかと、バスティ氏は恐怖にかられた。高校の生物と地学の教師である氏は外に飛び出し、空にキノコ雲を探した。ところが、まもなく判明した振動の原因は、発電所の爆発ほど危険ではないものの、この地域には非常に珍しい現象だった。地割れを伴う地震だ