スマートフォンが子どもの発達に与える影響などについて考えるシンポジウムが28日、福岡市であり、世界的なゴリラ研究者の山極寿一京都大学長が講演で「ネット社会によって五感を使った交流が失われつつある」とし、子育てを取り巻く現状に懸念を示した。 山極学長は、ゴリラには互いに正面から顔を近づけてコミュニケーションを図る習性があり、目を見て感情を読み取れる、と説明。「人間にも同様の共感能力があるが、ネット社会の発達で対人関係が希薄になり能力が減退している」と指摘した。 また、大学で情報の入手をネットに頼っている学生が増えているとして、「本当の知識が身に付いていない。相手と直接関わりあうことが大事だ」と対話の重要性を強調した。 インターネット依存症の専門外来を設け、患者の臨床研究を進めている国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長は、オンラインゲームや会員制交流サイト(SNS)の