口蹄(こうてい)疫は17日現在、宮崎県内の111の農場で確認され、殺処分の対象となった牛や豚などは計約8万6千頭に上る。宮崎県内の畜産農家はもちろん、全国のブランド牛への影響が避けられない事態となってきた。 他のブランドにも影響が及ぶのは、宮崎県から優秀な子牛が全国各地に出荷され、そこで肥育され、各地のブランド名を背負って流通しているためだ。 だが宮崎県内では、口蹄疫の発生した4月20日以降、県内8つの子牛の競りは中止され、子牛の供給はストップしている。 さらに5月16日には、宮崎牛の種牛を管理する県家畜改良事業団にも感染が広がり、飼育している種牛49頭が殺処分対象になった。この中には22万頭の子牛を誕生させたことから“伝説の種牛”として知られ、等身大の銅像まで建った「安平(やすひら)」も含まれていた。 事業団には、冷凍精液の在庫が1年分約15万本あるうえ、冷凍精液の9割を担う主力の6頭を