個人や企業のネットバンキング口座から、勝手に現金を盗み取る事件が起きている。被害額はわずか半年で2億6500万円を超えた。追跡を逃れるための巧妙な手口をつかっているのが特徴だ。(ITジャーナリスト・三上洋) 中国人容疑者を逮捕でわかった不正送金の巧妙な手口 警視庁は19日、不正アクセスで盗み取った金の一部を送金したとして、東京都葛飾区の運送会社アルバイト薛章文容疑者を詐欺容疑で逮捕した。薛容疑者は8月31日に、葛飾区内の都銀窓口で、別の中国人名義の口座から、現金10万円を不正に引き出した疑い。この都銀の口座には、渋谷区内の通販サイト運営会社が開設した地銀のインターネットバンキングの口座から、100万円が勝手に送金されていたという。薛容疑者は翌日に、もう一度口座の金を引き出しに訪れところで逮捕されている。薛容疑者は「金は下ろしたが、親戚の中国人の男に頼まれただけだ」と容疑を否認しているとの