『京都の迷い方』(京阪神エルマガジン社、二〇〇九年、デザイン=川名潤/中嶋達也)が出来上がった。「京都を愛する50人による偏愛ガイドコラム集」。いや、はっきり言って、面白い。今はどこの書店でも京都本コーナーができるほど京都についての本は多数発行され、ということは売れているに違いないが、雑誌の京都特集なども数え上げれば、その数は天文学的(にはならないか)。 そのくらい情報に晒され尽くした感のある京都から、まだまだこんな深〜い深=い蘊蓄がぼろぼろと飛び出してくる余裕というか、未開の分野が残されていたとは、まさに京都の底力であろう。あるいは、結局は、そんな偏愛の、変愛のアイテムに執着する執筆者を五十人も集めた、編集の力かもしれない。 古本ソムリエ氏も、すでにブログで紹介していたように、坪内稔典氏と河馬談義をしたり、京都三大古本まつりについて書いたりしている。その他、京都御苑の茸、甲斐庄楠音のスク