人月商売のITベンダー、特にSIerの技術者は経営陣に「洗脳」されているんじゃないかと思うときがある。「お客様に寄り添い、お客様の期待に応えることが技術者としての仕事のやりがい」などと技術者が話すのを聞いたりすると、「えっ! まさか」と思ってしまうのだ。立場上言わざるを得ないからそう話している、つまりポジショントークであると信じたいが、もし本気で言っているなら相当やばいぞ。そんなくだらない仕事にやりがいがあると妄想してはいけない。 この「極言暴論」の熱心な読者なら「木村は『お客様に寄り添う』というSIerのスローガンを目の敵にしているからな。またその話か」と思うかもしれないが、今回は論点が少し違う。例えばあなたが大企業の客先に常駐して、客が丸投げした基幹系システムなどの保守運用業務を担っているとしよう。これは人月商売のITベンダーの技術者なら、ごく普通の仕事だよね。で、その仕事にどんなやり