その頃の溜り場になっていた下北沢の飲み屋で、ビールを飲みながら彼は聞いてきた。 「なぁbinpakuさぁ~、俺はいったい何しゃべったらええんやろか?」 彼は当時自分が担当していたバンドのボーカリスト。 ある音楽イベント(アマチュアコンテスト)に、ゲスト審査員として呼ばれたらしい。 「審査員なんてやったことないでぇ」 彼はそう言って困っていた。 「あんたプロなんだからさ、アマチュア相手に粗探し始めたらキリがないよ。とにかくなんでも良いから相手の一番良い所を見つけ出して、まずは褒める。すべてはそこからだよ」 そんな事を彼に話したような気がする。 否定から入るのは簡単だけど、肯定から入るには1歩引いた心の余裕ってもんが必要だと思っている。 彼のような名のあるプロが発言する場合、そのコメントは思った以上に重く受け止められることが多い。審査する対象がアマチュアで、あら削りの原石であればなおさらだ。だ
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