35歳の若さで台湾の蔡英文政権に入閣し、IT担当大臣としてのコロナ禍の迅速な対応が日本でも大きな話題になったオードリー・タン。書籍『自由への手紙』の刊行に合わせ、彼女が日本人に伝えたい想いとは──。 自由には2種類あると、私は思っています。 ひとつは、ネガティブ・フリーダム。もうひとつは、ポジティブ・フリーダム。 「ネガティブ・フリーダム」とは、既存のルールや常識、これまでとらわれていたことから解放され、自由になること。「個人として何かから自由になること」と言ってもいいでしょう。ネガティブといっても否定的な意味ではありません。いわば消極的な自由であり、これが自由への第一歩です。 そして「ポジティブ・フリーダム」とは、自分だけでなく他の人も解放し、自由にしてあげること。みんなが自由になるにはどうすればいいのか、具体的なToDoを考えること。自分の可能性を力に変え、その力を誰かのために役立てる