35歳の若さで台湾の蔡英文政権に入閣し、IT担当大臣としてのコロナ禍の迅速な対応が日本でも大きな話題になったオードリー・タン。書籍『自由への手紙』の刊行に合わせ、彼女が日本人に伝えたい想いとは──。 自由には2種類あると、私は思っています。 ひとつは、ネガティブ・フリーダム。もうひとつは、ポジティブ・フリーダム。 「ネガティブ・フリーダム」とは、既存のルールや常識、これまでとらわれていたことから解放され、自由になること。「個人として何かから自由になること」と言ってもいいでしょう。ネガティブといっても否定的な意味ではありません。いわば消極的な自由であり、これが自由への第一歩です。 そして「ポジティブ・フリーダム」とは、自分だけでなく他の人も解放し、自由にしてあげること。みんなが自由になるにはどうすればいいのか、具体的なToDoを考えること。自分の可能性を力に変え、その力を誰かのために役立てる
2021年1月、トランプ元大統領のツイッターのアカウントが永久凍結された。フェイスブックも追随し、トランプ氏は大手SNSから排除された この事件は、さまざまの論評を呼び起こした。デマを流し暴力を煽るアカウントは凍結されてしかるべきという容認論がある一方、言論の自由を奪う危険な措置という批判もある。法的に見て私企業がユーザに自社のサービスの利用を許すかどうかはその企業の自由であるという容認論がある一方、SNSのプラットフォームはすでに世界規模のインフラであり、一企業の範疇ではないという反論もあろう。議論はさまざまの角度から可能であり、今後時間をかけて議論が続けられることだろう。 しかし、それとは別に、より緊急の問題がある。それはSNSの世界が保守とリベラルの二つに分割されてしまう未来が見え始めたことである。トランプ氏も含めた何人かの保守側の論客は新しい独自のSNSへの移行を唱えている。パーラ
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新型コロナウイルス対策の特別措置法や感染症法に過料など罰則規定を盛り込む改正について、先崎彰容・日本大危機管理学部教授に聞いた。【聞き手・佐野格】 「『お願いします』という要請だけでは国民に届かない」 今回の改正案は、私権制限が強まることを危惧する指摘はあるが、過料など具体的数字を明示した点は評価すべきだと思う。危機管理の原則からすれば、緊急事態宣言は、強い内容で短い間に絞り発出すべきだ。自助努力を原則とするわが国では、「強烈なインパクト」を与えることが重要なのだから、政府が具体的な数字や規定を設けて効果的な印象付けをするのがよい。さもないと、逆に正義感が先鋭化し、市民それぞれによる「自粛警察」のような行動を助長する恐れもあるからだ。 昨年春の最初の緊急事態宣言時は、政府が「伝家の宝刀」を抜いたという驚きがあった。しかし、2度目の1月の宣言に驚きはなく、国民の行動変容は昨年ほど期待できない
はじめに 1月21日にJournal of Clinical Medicineに掲載され、報道でも取り上げられた私たちの研究〔Anzai & Nishiura(2021)〕について、明治大学の飯田泰之さんと経済産業研究所の中田大悟さんの2人からSNSを通じて実名でコメントをいただきました(元論文は、こちらhttps://doi.org/10.3390/jcm10030398)。SNSでは科学的議論以外に飛び火しない建設的な議論をすることが難しいですし、今私は緊急事態宣言下のデータ分析で大変多忙にしています。論文の作法としても、SNSは場外戦のようになってしまいます。ただし、日本で期せずして、一定以上に報道が広がりましたのでSNSで話題になりました。このまま放置するよりも、私が詳細を広くお返事した方が、物事が正常に進むと思って以下を執筆することとしました。 最初に申し上げますが、今回の私たち
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