シリコンバレーのグル 「いまからおよそ一四〇億年前、いわゆる『ビッグバン』によって、物質、エネルギー、時間、空間が誕生した」 イスラエル人歴史家ユヴァル・ノア・ハラリの著書『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』(2011年)はこのように始まる。そしてこの一文によって、21世紀のアカデミアにおいて最も目覚ましいキャリアのひとつが始まった。 『サピエンス全史』はさまざまな言語に訳され、全世界で2500万部を売り上げている。その後もハラリは数冊の著書を出版し、さらに数百万部を売り上げた。現在ハラリは15人ほどの職員を雇い、仕事のマネジメントや自身のアイデアを発展させるのを手伝ってもらっている。 アシスタントの雇用はハラリにとって不可欠だった。滅多にオンライン上に登場しない著名人として、ハラリはダライ・ラマの次に有名だろう。 彼はスマホを使わない(「時間と集中力をとっておきたいんです」とのこと