「こんなにひどいとは」。記者会見に出席していたあるアナリストは吐き捨てるように語った。 2016年も押し詰まった12月27日、経営再建中の東芝は米国原発事業に関連して数千億円の減損リスクがあると発表した。 2016年3月期に4600億円の最終赤字を計上、自己資本比率が6.1%まで落ち込んだ東芝だが、2017年3月期は想定以上に収益が回復していると思われていた。半導体メモリ事業が好調で業績予想をこれまで2回引き上げ、不正会計で失った信頼は少しずつ取り戻しつつあるように見えた。 その中で突如浮上した巨額減損リスク。記者会見で綱川智社長は「責任を痛感している。今はこの処理に真摯に当りたい」と述べた。また、資本増強策や銀行への支援要請を検討していることも明らかにした。 約100億円ののれんのはずが数千億円の減損へ 昨年末、子会社のウェスチングハウス社(WEC)が買収した米国の原子力建設会社のCB&