ヴェノムの感想まとめ。 ヴェノムって意外とかわいいよね、という小学生レベルの感想文で終わらせる気はありません。 問題は、なぜヴェノムはかわいいのか、可愛く「なってしまったのか」です。 そのあたりをしっかり分析しました。 補助線は、グローバル化と、ウルトラマンと怪獣と四方田犬彦の「かわいい」論あたりを参考にさせて頂きました。 ■正義と悪の二分が成立しない時代 ハリウッドお得意の、正義が悪を倒すという図式は、ダークナイト以降成立しなくなりました。 アメリカという正義の執行自体が悪であるという見方が出来てしまうからというポスト構造主義の問題もそうですし、ハリウッド映画は膨大な予算がかかるため、70億人つまり全人類をターゲットに勝負しないと回収できないので、アメリカだけが正義というお話ではマーケット的に売れず、悪を設定しづらいという商業的要請からの制約もあるからです。 ■悪の再設定 そんなわけで、