吉崎航さん(36)は、世界を驚かせるような成果を挙げてきたロボットエンジニアのひとりだ。独自のロボット制御ソフトウェア「V-Sido」を開発し、人が搭乗できる巨大ロボット「KURATAS」など、さまざまな開発に携わってきた。横浜で展示中の「実物大の動くガンダム」を制作したプロジェクト「ガンダムGLOBAL CHALLENGE」でも、システムディレクターを務めている。今回、吉崎さんにロボットの頭脳とも言えるソフトウェアと人工知能の進化について、話を伺った。 人もロボットも、無意識のうちに「考え」ている マジンガーZやガンダムのような人が乗り込む巨大ロボットは、「ロボット」なのだろうか。そんな疑問が浮かんだのは、多くの研究者がロボットを「感じ、考え、行動する機械」と定義しているからだ。自らの意志を持たず、パイロットの操縦に従って動くロボットの様子からは、「考える」というプロセスが抜け落ちている