はじめに 森林美学第二版にフォン.ザリッシュが引用、参考に上げた人物は多義にわたっている。フォン.ザリッシュの教養と森林美学著述への問題意識の上で、当時の時代(19世紀中葉から20世紀初頭)の中で、取り上げられなかった人物の名前も含めて検討する必要がある。 森林美学に取り上げられた人物に関して、今田敬一によって既に森林美学の構成と関連して分類されている。大きくは、美学的論拠における分類と森林の美的取扱いの論拠のために分類されているが、美学史(哲学・文学)、林学史、時代的背景の位置づけによって、再検討して考察を加えたい。 森林美学に取り上げられた人物の分類 192の人名を検出したが、専門の分類ができているのは、現在とところ121人である。美学的根拠として、美学者、芸術家、古典の作家、に分類でき、樹木、森林に関しては、科学者、林学者、森林官、造園家、行政官に分類できる。 美学者は15人、文学者
ヴェルサイユ宮殿庭園(フランス) キューガーデン(イギリス) 造園(ぞうえん、造苑, landscape architecture)とは、庭園などの空間を造ることである。「造苑」とも表記され、韓国では「造景」としている。私的な空間である庭園や公共的な空間である公園などの緑地/緑空間を土木的な基盤整備し、意匠を植物や水などの自然素材、石等の鉱物資源などによって造ることである。 テーマパークなどの施設から、集落や都市の環境改善、自然風景地などにいたるさまざまな空間を対象に、計画、デザイン、施工、管理にまたがる技術の体系であり、造園そのものは古代から多くの文明で行われてきたが、職能の分化が明確になる近代では、建築、土木や都市計画などとともに環境づくり、環境デザインの主要分野のひとつを成す。また農学分野の中でも美的側面を重要視する専門領域である。最近では専門領域の区別はあいまいになり、分野間のコラ
*FAX・郵送でもお受けしております。こちらのお申込書(Excel)もご活用下さい。 本書は、森林療法研究のパイオニア上原巌先生が、全国各地でのさまざまな活動を訪ね、現場の人々と協働し、森林療法を発展させていく過程を紹介しています。 地域の健康維持活動、医療活動、サラリーマン等のメンタルヘルス、高齢者の健康増進など、私たちに関心の高い分野での最前線が描かれています。 森林療法活動の手法、ワークショップ活動の実際、開発されたプログラム例など、具体的な実践方法を発展させていく最前線も紹介しています。 これらすべてが、森林整備と健康・医療が連携した地域づくり活動を実践し、具体化するアイデア・手法としてまとめられています。 ●シリーズ 『森林療法あらかると』 『森林療法のてびき 地域でつくる実践マニュアル』 『事例に学ぶ 森林療法のすすめ方』 『森林療法序説 森の癒しことはじめ』 上原 巌(うえは
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はじめに フォン・ザリッシュの「森林美学」第一版が1891年に出されているが、森林の美を明らかにしようとした著者の教養の土台は何であったのであろう。先人の林学者ハルティッヒなどから学んだことが著書の中に上げられ、著者自身が森林管理の実務に従事し、林学者として論文を出している点では、林学が基礎となっていることは当然である。一方、森林美の論証、追求には広い著者の教養が大きな役割を果たしており、著書の中に文学、美学、心理学の知識が散見される。とくに、美学はヘーゲルの芸術中心に対して、自然美に注目し、独自の森林美学を追求しようとした著者の意図が感じられる。一方、当時の時代的状況と関連しての教養であり、そこに、著者の限界もあったことは確かであろう。19世紀末から20世紀の初頭へと「森林美学」は版を重ね、影響を与えたが、著者の生きた時代の豊富に得られた教養を土台としていたといえる。 文学からの背景 ル
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