GPU(Graphic Processor Unit)は元来グラフィック描画に特化したプロセッサであり、その発展は主にコンピュータゲームの複雑化・リアル化に依存してきた。そのため以前は、ハイスペックなGPUは(とてもマニアックな)ゲームやCADなどの特定の分野にしか使われていなかった。ところが近年、そのGPUを本来の目的以外の一般の計算に使おうという流れがでて来ており、その流れはGPGPU(General Purpose GPU)と呼ばれている。ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)と呼ばれる特定の分野では、GPGPUはアプリケーションの高速化に大きく貢献している。 従来GPGPUを適用したHPCのアプリケーションは、流体力学、分子動力学、天文学、気象学といったようないわゆるサイエンスの分野であり、我々のビジネスとは遠いところにあった。その中で加藤ら[1,2]は、GPGPUはレコ