2004年、2005年に引き続いて今春もソメイヨシノの花びらの異変調査が実施された。「花より団子」とサクラの木の下で一杯という方が多いのかもしれない。サクラの花びら調査だなんて何の意味があるのかと言われそうだが、実は自然が発する重要なメッセージが小さなサクラの花びらに現れる。 サクラは全国のすべての樹に同じ遺伝子を持っている栄養生殖体、いわばクローンだ。つまり、環境の変化による遺伝的な変化を受けにくいのだ。 そこに着目したのが「サクラ調査ネットワーク」(連絡先:たんぽぽ舎)で、各地に咲くソメイヨシノの樹の桜の花の異変を調べている。もともとは電離放射線(医療用または原子力発電、核実験などで、人為的につくられた放射線)が生物(とくに遺伝子発現)におよぼす影響に着目し、原子力発電所の環境に与える影響を考察しようと始められた調査だ。 ソメイヨシノの正常な花は、花ビラが5枚で、ガクも5枚である。花ビ