マーケットにおけるポジショニングも定まらなかった。ハイエンド端末への集中とローエンドを含む全面展開の間で右往左往し、その迷走ぶりはとてもグローバル企業には思えない。これではしっかりした現地戦略を持ち、しかも資金力でも勝る欧米メジャーや韓国メーカーとの勝負に勝ち目がないのは当然かもしれない。 この結果、2005年のマーケットシェアは日系トップのNECでもわずか2.3%しかなく、2位の松下は2%以下、それ以降はほとんど1%未満で「その他」集団になり下がっている。「中国市場は特殊だ」と片付ければそれまでだが、こういった客観的な日系メーカーの「弱体化」を引き起こした元凶は現地化戦略の不徹底やマーケティング機能の不在など日系メーカーの国際競争力の低下そのものだと認識しなければならない。 ■敗因は日本市場にあり 日本の携帯市場が成熟化してしまった現在、成長を続ける世界市場に出て行くことが日系メーカーに