“日本は標準化が苦手”――。ここへ来てその状況が変わりつつある。この5月には,東京電力の超高電圧送電網技術がIEC(国際電気標準会議)の国際標準として認められ,注目を集めた。次世代の携帯電話規格では日本企業の存在感が発揮される可能性が高いという。国際標準化に対する企業の取り組み方と知財戦略とのかかわりについて,三好内外国際特許事務所所長代理・弁理士の伊藤 市太郎氏に聞いた。 ――国際標準化といっても,人によって何を指すか異なるようですね。 国際標準化は一般に(1)ルール,(2)試験・評価方法,(3)技術仕様の三つに分類できます。簡単に言うと,(1)はテロ対策などの安全確保策やISO9000などの品質保証といった,技術とはあまり関連性ない取り決めであり,(2)は電池や光触媒など技術関連製品に対して合否を判定する試験・評価方法の規格,(3)は放送や通信などインタフェースを介してさまざまな機