◇霊の存在を肯定するオカルト◇ いま脳科学が大きな注目を集めている。脳科学と名の付く書籍、テレビ番組、教育などが一般にも広く普及している。 しかし一方で、脳科学に対する批判も根強い。そのほとんどは、「脳が人間のすべてではない」「人の心と脳は別物だ」という意見である。これには自信をもって答える。「脳と心は同じものだ」と。まずはこの誤解を解き、最新の脳科学の歩みを紹介するところから始めたい。 「脳と心」とは、俗にいうと「体と霊(魂)」である。これが別というのはつまり、物理的な身体とは別に(精神の)世界があるという考え方で、西洋では「二元論」といわれる。二元論というと1つの科学的な立場に聞こえるが、これははっきりいって、霊(魂)の存在を肯定するオカルトである。 21世紀という時代に、いまだカルト集団に騙されたり、詐欺に遭ったり、テレビ番組で堂々と「前世」や「魂」が語られ、それを信じてしま