107人が死亡した2005年のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、JR西日本は29日、兵庫県伊丹市で被害者への説明会を始め、電車が衝突した9階建てマンション(同県尼崎市)の保存最終案を提示した。18年ごろに完成するとしたスケジュール案も示した。 JR西が7月にまとめた案では、事故の痕跡が残る部分を中心に1階から4階までを階段状に保存。全体を大きな屋根で覆い、線路側には壁を設置する。マンションは住民や乗客からは見えないが、運転士からは見えるようにして、安全を意識させる構想だ。遺族の半数以上が前向きな評価だったが、「運転士や乗客からもっと見えるように」などの意見もあった。 最終案ではこれらの声を反映し、運転士から見える側の壁は透明なガラスにして、マンションを認識しやすくした。屋根もガラス張り部分を増やし、現場の明るさを確保。手を合わせた形を表現した慰霊碑は、やや高くして形状も変えた。 事故を伝え