「日本ウマ科学会学術集会」との並行開催で「JRA競走馬に関する調査研究発表会」が11月27日にあった。そのトップバッターが異例だと注目を集めた。
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11月27日の「第65回競走馬に関する調査研究発表会」で最初に登壇したスターターの西岡孝之さん。演題は昨年3月、3歳牡馬が競走中に発症した左前球節構成骨骨折の症例報告だった。 早期に救命を諦めてもおかしくない難しい骨折で、一部の靱帯(じんたい)も破綻していた。海外で救命例があったのが球節関節ごとプレート固定する術式。しかし、大がかりな手術は術後の細菌感染などがしばしば深刻で、JRAが過去試みた同術式7例はおおむね2カ月、最長でも5カ月までで、救命できていなかった。今回の症例も、術後17日目から術後感染と長い闘いが続いた。 人の医療では近年、深部の深刻な術後感染症で、局所的に抗菌薬を還流させる「CLAP」という手法が使われている。馬への応用を考えていたJRA競走馬総研の研究者から打診された西岡さんは「わらにもすがる思いで」採用。一度は器具の想定外の挙動や破損で失敗したが、設置方法の改良を試み
小回りコース「外を回った分」の距離ロスはいかほどか?【獣医師記者コラム・競馬は科学だ】 2023年8月4日 06時00分
日本ダービーで競走中の「急性心不全」のため、スキルヴィングがこの世を去ったのは残念至極だった。これに際し、Web上を飛び交った疑問の中に「馬にAEDはないのか」というものがあった。気持ちはよく分かるが、残念ながらない。「費用対効果」という経済的事情も大きいのだが、仮に全部脇に置けたとしても、現段階では開発可能な展望も乏しい。 第一に競走中の急性心不全が非常にまれだ。致死性の心不全の多くは心室が正しいリズムとは異なるタイミングで収縮する(心室性期外収縮)。加齢性の慢性心不全であれば、普段の心電図から心臓で何が起こっているのか検討もできる。一方で、現役馬が競走中に起こすと、多くの場合、心停止まで時間がない。急性心不全の心電図データを得るのは現状難しい。 こうした事情で、サラブレッドの心室性期外収縮に部分的にでも触れた論文自体がわずか2本しかない。アイルランドの外科が報告した運動時心筋梗塞の報告
今週末は大学入試共通テスト。25年前、記者はそんなタイミングでも、競馬記事を読んでしまう受験生だった。開かせてしまったからには、みなさんの目の前の関門に、少しでもお役に立ちたいと思う。 今年から中央競馬の負担重量(斤量)のルールが変わった。詳細は方々で既報だが、おおむね少し重くなった。知りたいのはこれの影響である。物理(力学)の問題設定としてはさしずめ次のようなものになる。 質量m、m+Δmの質点P、Qがそれぞれ初速vで等速直線運動している。両質点が時刻tからt+Δtの間にv+Δvまで加速度一定に速度変化した。このとき、質点に加えられた力についてF(Q)-F(P)=ΔFを求め、その性質について述べよ。
昨年12月24日の中山大障害の枠入り時、この実況を受け、緊張感が張り詰めていた場内は和やかな笑いに包まれた。声の主は、ラジオNIKKEIで長年実況を務めてきた佐藤泉アナウンサー。枠入りを渋るオジュウチョウサン。その間をベテランが絶妙につないだ。 翌日の有馬記念の後、記者席に現れた佐藤アナはいつものようにひょうひょうと「私、きょうで現場は最後です」とひと言。65歳までの雇用延長期間を終え、記憶にも記録にも残る名馬とともに引退の時を迎えたという。G1を前にした枠入りの実況で場内に笑いが起きたことはほとんど記憶になく、印象的だったと告げると「出馬表を眺めていて思ったことをそのまま口にしただけですよ」とサラリ返してくれた。
12日に行われた函館スプリントSのゴール前、後続を突き放すナムラクレアを見て、努力が報われて良かったなと、しみじみ思った。浜中俊騎手(33)=栗東・フリー=が、50キロの斤量で競馬に乗るために、過酷な減量をしたことが分かっていたからだ。 「報われて良かったです。絶対勝たないといけないと思っていましたから」。レースから1時間後、お祝いの電話をかけると、何よりも責任を果たせたことを喜んでいた。減量したのは、まず負けないと思っていたからだが、1週前の安田記念で騎乗したソウルラッシュの脚を余して13着に負けた反省から、強い気持ちで臨んでいた。ましてや減量を失敗するなど、あってはならないことだった。 普段の体重が51.5キロで、50キロに乗るのは14年ぶり。50キロといっても、鞍など馬具の分も減らさないといけない。函館入りしてからは一切、外食することなく、厳しい食事制限を課し、レース3日前から毎日サ
レース部に手紙が届いた。いわく、ウマ娘界隈(かいわい)で1990年代前半の名バイプレーヤー、マチカネタンホイザを巡って「食ったよ」「食ってないよ」との議論がうずまいているという。 マチカネタンホイザはミホノブルボン世代のノーザンテースト産駒で、G2時代の高松宮杯ほか重賞を4勝した。1994年の有馬記念を当日に出走取消。これが議論になっている“事件”だ。同日付中日スポーツは次のように報じている。「二十四日、入きゅう先の中山競馬場でジンマシンを発症。同馬は鼻出血でスタート直前に除外されたジャパンカップに続いて二走連続で出走取り消しとなった」(原文ママ。表記基準が現在と異なります)。 問題はじんましんの原因。「カイバおけに紛れ込んだクモを食べた」という話がある。食べたところを誰かが現認したなら、そのスタッフは座して見ていたことになる。現認せずにクモを食べたと確定するには剖検でもして胃内容物を確認
名伯楽から「ウマ娘」のワードが…定年近づく藤沢和雄調教師が語った競馬界の変化「もう昭和の調教は古い」【競馬の話をしよう。】 2021年9月25日 06時00分 競馬の世界を掘り下げる企画「競馬の話をしよう。」。第12回は来年2月に定年を迎えることで調教師としては最後の秋となる名伯楽を特集、その一人である藤沢和雄調教師(70)=美浦=を直撃した。35年という調教師人生で、積み重ねてきた勝利数は24日現在でJRA通算1544勝。この偉大な記録を打ち立てるまでに感じてきたことや調教、競馬界の変化、さらに来月末の天皇賞・秋へグランアレグリアで臨む意気込みや、秋戦線についてなどを語ってもらった。(聞き手・東佑介)
全国高校野球選手権西東京大会の準決勝が31日、東京ドームで開催された。例年東西東京大会の準決勝、決勝が行われる神宮球場が東京五輪資材置場のため使用できず、プロ野球が五輪中断している理由が重なり、史上初めて東京ドームでの有観客開催が実現。SNSでは「西東京大会」がトレンドワードになり、「球児たちにとって凄い経験ですね」「大人(五輪の侍ジャパン)はハマスタで頑張って」などの声が寄せられた。 この日は日大三―国学院久我山、世田谷学園―東海大菅生の2試合。あす8月1日には東東京準決勝、2日には東西東京決勝も東京ドームで開催される。5000人を上限とした観戦チケットは前売りで完売、当日券は販売されない。 ツイッター上ではテレビ観戦していた高校野球ファンから「なんか新鮮だと思ってたら史上初らしい」「絵面が高校野球感なくて、背景(球場)の影響ってすごいんだなとしみじみ感じる」「何度か神宮球場に行ったけど
先週、2頭のよく知られたサラブレッドが相次いで急死した。19年エルムSを勝ったモズアトラクションと、インティなどを送り出した種牡馬ケイムホーム。どちらも死因が「急性腹症」と伝えられている。安らかに眠ってほしいと願うが、死ぬ間際はさぞかし苦しかったろうと思う。 急激に発症した疝痛(せんつう)の中で、緊急手術を含む迅速な対応を要する腹部疾患を広く「急性腹症」という。馬だけでなく、人や犬、猫などでも使う言葉だ。人にも共通するのに一般になじみがないのは、それぞれの原因特定前の段階で、病態を表す言葉だからだろう。 適切な処置には、原因究明(診断)が必要だ。例えば腸閉塞(へいそく)などの腸の不具合、胆のう炎、膵炎(すいえん)など消化系臓器の不具合、腹部大動脈瘤(りゅう)の破裂ほか、考えられる原因は多岐にわたる。人ではほとんどのケースで腹痛の原因が特定される。患者やその家族には「腸閉塞」だとか「虫垂炎に
わらは世界中の厩舎で広く使われている敷料だ。中央競馬でも特に美浦はわら使用の厩舎が多数を占める。県警の筋書き通りであれば、公正確保のためにわらが使えないという事態にもなりかねない。JRAは19日の関東定例会見で「よほど条件がそろわない限り、こんなことは起きない」と説明。JRAの現場レベルでも複数の獣医師・研究者が「通常の管理条件では起こらない」と、口をそろえる。 県警によると“自然発生説”の根拠としたのは岩手県競馬組合から提示された海外の文献3本だが、1本は検査の精度に関するもので核心には直接関係なく、1本は「試験管内である種のカビがトウモロコシ由来の成分を発酵した時、微量のボルデノン関連物質を合成しうる」と主張するもの。トウモロコシとは無関係な現実の厩舎で、自然発生したとする説を支持する材料としては極めて弱い。残る1本は競馬関係獣医師の国際会議録(16年ウルグアイ)で、実験的に何かを証明
いよいよ注目のクラシックレースが始まる中、本紙では注目馬のオーナーに愛馬への思いや、挑むレースへの意気込みを語ってもらう「熱中オーナーズサロン」を開始する。第1弾は桜花賞に挑むメイケイエールのオーナーである名古屋競馬。同社の中西肇社長(67)と佐藤稔専務(65)を直撃した。
茨城県美浦村と滋賀県栗東市にある日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターで働く多数の調教助手や厩務員らが、新型コロナウイルス対策の国の持続化給付金を不正受給した疑いがあることが、関係者への取材で分かった。 担当馬がレースで獲得した賞金に応じて得られる報酬が新型コロナの影響で減少したとして申請していたが、日本調教師会は「中央競馬の中止はなく影響はほぼなかった」と返還を求めている。JRAによると、昨年の実施レース回数は過去最多だった。 大阪市の男性税理士が指南していた。「受給者は100人以上」と証言する調教助手もおり、総額1億円以上になる可能性もある。男性税理士は取材に「コロナの影響を受けたかどうかは申請者本人の申告に基づいている。不適切な申請はしていない」と主張。中小企業庁は「個別の事案には答えられない」とした。
4日の凱旋門賞は、直前にAオブライエン厩舎の4頭が取り消した。同厩舎の使っていた飼料に薬物混入があり、出走すればドーピングとなる可能性があった。昨夏、日本でも飼料添加物に製造ラインにおける薬物混入の疑いが発覚し、大量取消が生じる事件があったが、ほぼ同じ構図だ。 飼料などの製造ラインや、実験室において、意図せぬところに意図せぬ薬物、細菌、ウイルスなどの混入が起きることを「コンタミ」と言う。英語で「汚染」の意の「コンタミネーション」が、日本語の常として語呂のよいサイズに略されたものだ。薬品や微生物、放射性同位体を扱う理系の研究者、学生にとってはほとんど日常語で、例えば焼き肉の席で「塩だれにみそだれがコンタミした」のような使い方もされる。本筋の使われ方でも、とにかく忌むべき現象だ。
大リーグやオーナー陣と選手会が今季年俸を巡って衝突している事態に、30日のロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)は「冗談抜きに、とにかく黙ってプレーしろ。スーパーの通路で2人がマスクを取り、最後の高級トイレットペーパーを『俺の物だ』と言い争っているようなものだ」と、痛烈に批判した。 同紙はかつて「国民の娯楽」と称されたこともある野球人気の衰退を例証した。2018年のギャラップ調査によれば、野球を好んで観戦するスポーツに挙げた大人は9%で、アメフットは37%、バスケットボールは11%。また、昨年のワールドシリーズ第7戦の視聴率は直近47年間で下から3番目で、同年のバスケットのオールスター前夜祭より低かった。公式ツイッターのフォロワー数はNBAの3050万に対し、MLBは860万。経済情報サイトのマーケットウオッチによれば、野球観戦者の平均年齢は57歳で、18歳以下はわずか7%だった。
大型貨物自動車で名古屋市内を走行中、自転車の男性=当時(24)=をはねて死亡させたとして、自動車運転過失致死罪に問われた40代男性の判決公判が8日あり、名古屋地裁は「過失は認められない」として無罪(求刑罰金100万円)を言い渡した。 男性は2014年5月、同市名東区の国道302号で片側2車線の左車線を走行中、車を道路の左端に寄せ、車と縁石との間を後ろから走ってきた自転車(ロードバイク)の男性をはねて腹部などにけがを負わせ、翌月に死亡させたとして、17年7月に在宅起訴された。 斎藤千恵裁判官は判決理由で、車線の左端と縁石の間は幅約70センチと狭く、自転車で走るとハンドルや体が車線内にはみ出すことになると指摘。「車がことさら左に寄らなくても、自転車が接触してしまう可能性は否定できない」と判断した。 さらに、この道路は交通量が多く、道路脇の防音壁の外側に歩道があることから、歩行者や自転車の通行が
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