小さな料理 大きな味 ① ピーマンの塩炒め いったん思いだすと、「いますぐアレ食べなきゃ!」。我慢できなくなる料理がある。そのひとつが、ピーマンの塩炒め。歯の間でピーマンがじゅわっと弾ける瞬間、むふふと笑いが出てしまう。 え、ピーマンで? そう思うのも当然だと思います。私だって、この料理に出会うまでピーマンのチカラを見くびっていたし、ピーマンが食卓の主役に躍り出るなんて想像もしなかった。 ただ、約束ごとが3つ「だけ」ある。 ■ピーマンは手でちぎるだけ ■強火で1分だけ炒める ■味つけは塩だけ 小学生でも守れる簡単なことばかりだけれど、絶対はずせない。逆にいえば、この3つさえ忘れなければ、誰にでも間違いなくおいしく作れる。本当です。 手でちぎると、「えっ、うそでしょ!?」と声が出てしまうくらい、包丁で切ったピーマンとは別物の味になる。包丁を使えば均一の断片になるけれど、手でざっくり割るよう