「斉藤はなぜダメなんですか?」と呼び止められる。 「誰?斉藤って?」と私。 学生が言う斉藤は、最初、名前が間違っていたけれど、斎藤孝と判明。 この場合の「ダメ」は、人格問題ではなくて、当然その主張のこと。 ここでダメというのは、その学習論が鍛錬論で終わってしまうから。文学作品にふりがな付けただけに近似値な本を自分の名前を付けて発刊しているから、それがダメと言っても言いけれど、そういう問題はここではパス。 斉藤の学習論は、結局、声に出して読むなど反復させることがその中心にある。鍛錬論的身体論となっていて、世界を意識化しとらえ直していくことが希薄で、型に合わせることに終始し、さらに伝統的な身体論の単純化や歪曲もあるのではないかなどという話しをする。 この斉藤のダメなところは、能力主義信者と結託する点にあると言ってもいいと思っているのだが、予想通り、よい成績を取らせるためには鍛錬が子どもの内は特