東京電力福島第一原発の事故で、福島県から横浜市に自主避難した家族の子どもが、小学生時代にいじめを受け、放置されていた。いじめが始まった時期と、それが多額の金銭をせびられる重大事態に至った時期。 この2つの時期に注目しながら、問題を考えてみたい。 ●メディアで垂れ流された差別発言 まず、いじめが始まった時期。 現在中学1年になるこの男子生徒は、2011年8月に転校したというから、9月の2学期から横浜市の小学校に登校するようになったのだろう。その直後から、名前に「菌」をつけて「◯◯菌」と呼ばれるなどのいじめが始まったという。 いじめる相手をバイ菌扱いするのは、子どものいじめの古典的手口だ。転校生はしばしばいじめの対象になるとも言われる。 加えて、この頃には大人の世界でも、福島の人たちに対するさまざまな差別的言動があったことを忘れてはならない。原発事故が発生した後、さまざまな地域で福島から避難し
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