ほとんどの風邪には抗菌薬(抗生物質)が効かないことは、医者の間では常識だ。風邪の原因の9割はウイルス感染症とされるが、細菌に効き感染症の治療にかかせない薬である抗生物質はウイルスにはそもそも効かない。 だが、風邪で通院すると、今でも「フロモックス」や「クラビット」などの抗生物質が処方されることが少なくない。「抗生物質が風邪の特効薬だと誤解している患者はまだ多い。『なぜよく効く薬をだしてくれないのか?』といぶかしげな表情で迫られると、つい経営のことも考えて希望どおりに処方してしまう」とある医師は打ち明ける。 抗生物質を多用しないよう厚労省も動いた 『週刊東洋経済』は5月21日発売号(5月26日号)で「医療費のムダ」を特集。命や健康を脅かす過剰な検査・検診、あふれる残薬、人工透析、整骨院、終末期医療といった、「聖域」だらけとなっている医療の現実を描いている。 抗生物質の多用が続くと、薬が効かな
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