人工知能は人間の行動を予測し、我々を幸福に導くのか、もしくは......。台湾から世界に進出する米国帰りの研究者が話す、AIの未来。 いま、人工知能(AI)への関心は真っ二つに分かれている。人間の職業を奪い、殺傷兵器にもなる人間の敵か、あるいは幸せに導くテクノロジーか。2015年末、東京で開催された「アジア・イノベーション・フォーラム」で議論されたのが、まさに「AIは人間を幸福にしうるのか」というテーマだった。 国内外の知識人を集めたこのフォーラムで注目を集めたのが、台湾から来日した現在36歳、Appier(エイピア)のCEO、チーハン・ユーである。同社は15年11月に、米最大のベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルを筆頭に、日本のジャフコを含む計5社から約27億円の資金を調達。AIを使ったターゲット広告によって、1年弱の間に売り上げ600%超を達成。資金調達によって、次なる研究に大き