母から、我が家の年末年始の予定を尋ねる電話があった。用事が済んだ後、母がぼそっと言った。「私ねぇ、お父さんと別れるわ。お父さんには悪いけどね・・・」。 えええ! 何をまた唐突に!? 私の父は穏やかな人で、家族にも声を荒げて物を言うようなことはない。 母がこんなに伸びやかに楽しげに暮らしているのも、父あってのことだ・・・と母も私達家族もそう思っている。 私が物心ついてからの記憶を辿っても、父は いつでも私達の一番の味方だった。 例えば・・・私が小学生の頃、当時の母は 今以上に仕事が忙しく 私の参観日にも来られないほどであった。「娘の学校行事があるから」という理由で仕事を休むなんてことは まだ難しかった30年前の話である。 ある日、母はクラスのお母さんに言われたそうだ。「そんなにお忙しくていらして、ご家庭は大丈夫ですか?」。 母はその言葉を聞いてしょんぼりした。 すると父が言った。「君が仕事を