優しい女性の微笑みが訪れる者の緊張を一瞬で解きほぐし、癒やされた気持ちにしてくれる。とりわけ日本人にはそれがたまらないらしい。欧米の植民地支配を受けなかった歴史も手伝って、何か連帯意識のようなものを感じるのかもしれない。 そのタイがいま、日本企業の進出ブームに沸いている。企業だけではない。経済の停滞が長引き、日本に人生のチャンスを見出せなくなった人たちが、タイに職を求めて、あるいは起業のチャンスを求めて集まっている。 土木や建設などのインフラ産業、自動車や家電などの製造業がアジアにおける拠点として進出してきた長い歴史があるが、いま、タイではこうした産業だけでなく、これまでは日本国内が主体だったサービス産業が次々とタイに進出を果たしている。 まるで日本の将来など露ほどにも気にかけていない自己中心的な政治家や官僚に対し、日本ではもうビジネスができないと行動で示しているような格好だ。 タイに次の