ドイツ・フランス・ハンガリーの合作。1995年エミール・クストリッツァ監督作。2時間51分。カラー。 ボスニア(旧ユーゴスラビア)ドイツ占領下の悲劇。今も戦争の黒い雲に包まれたボスニア。映画はドイツ映画のかつてのストロハイム監督タッチ、近くはイタリアのフェリーニ監督のタッチを含ませて、ドイツのフリッツ・ラング監督の古き肌をジャズで踊らせ、イタリアのヴィスコンティ監督の敗北美を悪魔の舌で塗り込めたごとき驚くべき映画。それだけの名監督をこの映画にしのぶ、その“映画美”と“映画グロテスク”に映画の好きな連中はこの3時間、見とれきるであろう。 ただしボスニアがどこにあるのか改めて世界地図で探させ、同時にこの国の歴史を探る。それだけでもこの映画は見る価値をあふれさせているのだが、それ以上にこの映画の香り。映画は哲学的文句、または国民の足跡を厳しく指しての勉強以上に“香り(ゝゝ)”、これを問題にしてほ
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