◇ひきこもり先進国の責任 「バンボッチョーニ」というイタリア語をご存じだろうか。おそらく、辞書を引いても載っていないはずだ。「大きなおしゃぶり坊や」といった意味の造語で、両親と同居している青年たちを指す。日本で言えば「パラサイト・シングル」にほぼ該当する。 こんな言葉がはやるのも、イタリアではこうした若者が急速に増えているからだ。今やイタリアでは、親元で暮らす20~30代の若者の割合が70%を超えつつあるという(1月18日付 La Repubblica紙)。 これは大変な数字である。親と同居する青年は、これまで日本と韓国のみが7割程度と、国際的に見ても突出して高かった。しかしいまやイタリア青年の同居率は、日韓に肩を並べるほどの水準に至っている。 こうした現象は、全世界的に広がりつつあるらしい。同様の若者を指す言葉が、先進諸国で知られているからだ。 たとえばイギリスには「キッパーズ」という言